Saint Crispin、s(サンクリスピン)の修理を世田谷区にお住いのお客様よりお持ち頂きました。靴底はレザーソールで、過去にカカトのトップリフトは交換した模様です。レザーソールに穴が開いているので「オールソール交換」のタイミングになります。つま先も擦り減ってウェルトにも擦れが広がっています。
今回は「リウェルト」でウェルト交換までしなくてよい。と判断させていただきました。
ウェルトは複式縫いの構造の靴では生命線なので、つま先の状態は特に気を付けて頂ければと思います。サンクリスピンの靴は手製の「ハンドソーンウェルト製法」で作られています。
アウトソールの底付けは独特で、前半分を「出し縫い」ウエストは「ウッドペース(木釘)」で留めています。せっかくブランド特有の作り方なので、再現してオールソール交換させていただきます。あと、平紐に使用感が見られるので交換します。レザーのアウトソールを剥がしました。
ハンドソーンウェルト製法です。「シャンク」と呼ばれる靴の後部が曲がらないように固定するものは、既製靴では「鉄」などの素材を使用する事が多いですが、ビスポーク(オーダー靴)などのように「革」を使用しています。レザーソールを貼り、「ヒドゥンチャネル」と呼ばれる技法で、端から革を起こし、掘った溝に「出し縫い」をかけました。
この後、革を伏せるとソール表面に縫い目が見えないエレガントな仕上がりとなります。 サンクリスピンの作りを再現するようにウエスト部にウッドペース(木釘)を打っています。
大工さんみたいですね。以前もサンクリスピンのトップリフト交換はしたことがあるので、オリジナルと同様に「ラスター」のトップリフトを使います。
化粧釘(真鍮釘)の位置もサンクリスピンの作りを再現します。 レザーソールをブラウンに着色して仕上げました。ウエストがいい感じですね。トップリフトもオリジナルと同様です。また新しい気分で履いて頂けます。靴紐は新しく茶色の平紐に交換したので、引き締まった印象になりました。オールソールで修理をお受けすると「靴磨き」はサービスしてお渡ししています。 つま先部はシミなどが見られたので、隠すように濃いクリームを使用して磨きました。店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。
お気軽にご連絡ください。
ありがとうございます。
Italy レザーオールソール交換 ¥13,800(税抜)
Italy ラスター レザートップリフト +¥1,300(税抜)
ヒドゥンチャネル&ウッドペース +¥2,000(税抜)
靴紐交換(ロー引き平紐) ¥700(税抜)
納期 2週間以内