お客様からお電話で修理が出来るかお問合せ後、遠方からイタリア製のロングブーツの修理をお持ちいただきました。画像では分かりにくいかもしれませんが、ウェルト(靴のサイドの部分)がヒビ割れているのと、ソールが剥がれているので、これを機に【オールソール】でお持ちいただきました。
「ウェルトの割れ」はほとんど足、靴の屈曲部に起こります。
素材は「なんぽう」と呼ばれる革の粉末を固めて作られたものを使用して作られています。
「なんぽう」はヒールの積み上げによく使用され、積み上げだと曲がる動作がないので問題はないのですが、このようにウェルトに使用されていると割れてしまいます。
ウェルト(押し縁)は今後同じトラブルが無いように屈曲性に強い「革」を使用して作り直します。 ヒールの高さ、ソールの厚みも再現してオールソールを進めていきます。底面はレザーソールに埋め込み式のラバーで作られています。作業の途中段階です。 <after>
レザーソールにハーフラバー、ラバートップリフトを使用しました。
製法は元と同じ接着剤で靴底を付ける「セメンテッド製法」で作業を行いました。 ウェルトの出幅、ソールの厚み、ヒールの高さも再現できました。 コバ、ヒール周りの革はオリジナルに近いイメージのブラウンで染めています。靴磨きをして完成です。
お客様に「生まれ変わった」と言っていただきました。
ありがとうございます。
Italyレザーオールソール ¥13,800(税抜)
vibram 1.8mmハーフラバー ¥2,700(税抜)
納期 1~2週間ほど