こんにちは、aestasの石川です。
梅雨入りしたかと思った矢先に台風の影響で、ひんやりと湿気のない日曜日になりました。
この時期は一年の内でも革靴を履くのを躊躇する日が多くなりますので、雨の日用の靴が活躍する季節ですね。
雨の日用の靴はぞんざいに扱われ気味ですが、普段からクリームでお手入れしていれば乾燥後のひび割れなども起きにくくなるのでお薦めです。
さて、そんな梅雨シーズンの今回はダークブラウンの内羽根を納品しました。
フランス、アノネイ社のカーフを使用した一足です。
革らしさを残しつつも張りと透明感のある仕上げでビジネス用の紳士靴には最適な革です。
キャップから前は油性のワックスを使い鏡面仕上げしています。
アノネイの革は元々透明感を持っているので、ワックスも薄めに乗せる方が相性が良いように感じます。
鏡面仕上げはお好みですので、光らせたくない場合にはクリームのみのお手入れで十分です。
今回のお客様は左右で足の大きさが10ミリ程違っていました。
左右の長さが全く同じという方は非常に稀で、ほとんどの方は2~3ミリ程の差はあります。
その程度でしたら、靴を履いてもどちらかが少しキツイか、少し緩いくらいでとどまりますが、10ミリの差はさすがに左右同サイズの既成靴では対処しきれません。
仮に既成靴で選ぶとすれば右が25.0cm、左が24.0cmと2サイズ差で靴を選ばなくてはなりませんし、見た目が明らかにアンバランスになってしまいます。
こちらのお客様の場合、甲のボリュームはどちらもほとんど差がないため、実際には左足は24.0cmには納まりません。
お客様それぞれの専用木型を作製するフルオーダーの場合、左右の長さの差を埋めるためにつま先部分の余裕寸法を使ってバランスを調整します。
それに加え、型紙上や靴の製作時にバランスを細かく調整し、見た目に極力差がでないように配慮致します。
カカト周りの大きさは左右で差がないため、ヒールの大きさも左右で合わせています。
足長差の有無に関わらず、木型制作時には右足、左足はそれぞれ別個の数値に基づいて削りますので、既製靴で感じていた左右の違和感はほとんど無くなります。
今回はハーフラバーを貼らずに仕上げました。
この時期は履いて出掛けにくいですが、数回履いた後の柔らかい屈曲性と靴内の臭い対策は他のソールでは味わえない天然皮革ならではの魅力です。
aestasではレザーソール仕様でご注文を頂くことが多いですが、ラバーやスポンジなど、ソールの種類はお好みに応じて変更出来ますのでお気軽にご相談下さい。
【今回の靴】
内羽根ストレートチップ
靴代・・・¥98,000-(マッケイ製法)
※ハンドソーンウェルト製法、ノルベジェーゼ製法の場合¥160,000~
革・・・アノネイ+¥10,000-
ソール・・・レザーソール
※初回は別途木型制作代として¥50,000-頂戴致します。
※現在の納期は約4ヶ月です。
※価格は税抜き。