こんにちは、aestasの石川です。
今回はフルブローグシューズを納品しました。
フルブローグとは何かといいますと、フル(全てに)ブローギング(穴飾りの施された靴)という事です。
甲を覆う部分(アッパー)のパーツ全てにブローグと呼ばれる穴飾りを明けた紐靴を総称しています。今回は内羽根ですが、外羽根でも同様です。
細かいことを言うとつま先のデザインが上記のようなウイングチップ(Wの形)のものをフルブローグ、ストレートチップ(一文字)のものをセミブローグと呼びます。
靴の顔とも呼べるトウ部分に開いている穴飾りはメダリオンと言います。
デザインは様々で、一般的には動物や植物をモチーフとしたものが多いですが、イニシャルを入れたりするとオーダー靴の感じが出て面白いですね。
オーダー靴の場合はつま先の形状がお客様それぞれの木型で異なるので、メダリオンもお客様ごとにサイズを微調整しています。
メダリオン以外のブローグをパーフォレーションと呼ぶのですが、通常は●:●:という親子穴で開けることが多いですが、今回の靴は●●●とサイズの小さい親穴だけで開けました。
ギザギザの有る無しもお好みでお選び頂けます。ほんのちょっとした違いなのですが、細部を変更すると全体の雰囲気がだいぶ変わってきます。
ブローグシューズをオーダーする楽しみはこだわればこんな細部もご自身のお好みでお作りできるところじゃないでしょうか。
踵部分はシームレスヒールでお作りしています。最近は既製靴でも高級ラインになるとシームレスで作られているものが多くなってきていますが、やはり目を惹きます。
つま先は少し厚みを付けたラウンドトウ。シャープなチゼルトウやスクエアトウを多く作ってきましたが、最近は角の取れた緩やかなトゥが好きになってきました。
フルオーダーの場合はお客様専用の木型を一からお作りするのでつま先の形状もお客様のお好みに合わせてお作りしています。
細いつま先が好きだけど履くと痛くなるから選べないというお客様でも、オーダー靴の場合はフィッティングを確保した上でトウ形状をお作りできますのでご安心下さい。
こちらの靴はスリップ防止と耐久性を兼ねてハーフラバーとラバーリフトのセットでお作りしています。
レザーソールが好きな方はラバーソールよりも履き馴染みが良く快適なのでお薦めの組み合わせです。
ソールについてはレザーソール、ラバーソール、スポンジソールなど種々お取り扱いしておりますので、お気軽にご相談下さい。
あまり作る機会のないフルブローグのご紹介でしたので、いつもより説明が長くなってしまいましたが足元に存在感を与えてくれるとても良いデザインだと思います。
オーダー靴の候補に是非お勧めしたい一足でした。
ありがとうございます。
【今回の靴】
内羽根フルブローグ
靴代・・・¥98,000-(マッケイ製法)
※ハンドソーンウェルト製法、ノルベジェーゼ製法の場合¥160,000~
革・・・インポートベビーカーフ+¥15,000-
ソール・・・レザーソール + ハーフラバー
※初回のお客様は上記靴代の他、木型製作代として別途¥50,000-頂戴致します。
※現在の納期は約4ヶ月です。
※価格は税抜き。