こんにちは、aestasの石川です。
今回はaestasとしては初めてとなる内羽根のロングヴァンプデザインでのご注文でした。
製法はハンドソーンウェルテッドです。
有難いことで、昨年からはハンドソーンウェルテッドでのご注文も多く頂いております。
マッケイ製法に比べて作り込みの手間暇がかかるため価格も上がりますが、それゆえか靴の佇まいも凛としてきます。
ロングヴァンプは甲を押さえる部分のパーツラインがウエスト部分で落ちずに踵まで伸びているデザインです。
靴を前後で分断しないため、サイドからのシルエットがシンプルかつシャープに見えるのが特徴です。
ストレートチップとの相性も抜群です。
今回はお客様のご要望でソールのコバ周りは素上げで仕上げています。革本来の質感や風合いを楽しんで頂ける仕様です。
黒で仕上げたものを後から素上げに変えることは出来ませんが、今回のような場合には後から黒や焦げ茶に色替えすることが可能ですので、後々の楽しみの一つではないでしょうか。
こちらのお客様はほっそりとした体型でしたので、体型から想像できる通りの細くて薄い足をされていました。
薄い足の方は甲の押さえが効きにくくどうしても靴内で足が遊んでしまうため、既製靴選びはなかなか難しくなります。
また、そのような足をお持ちの方は肉付きが薄いことが多いため、骨が突出している箇所で靴擦れが起きたり、胼胝などが出来やすくなります。
サイズオーバーのお客様同様にオーダー靴向きの足といっても良いでしょう。
また、左右でアーチの崩れ具合に差があり、後足部の角度と靴内での足の向きが変わってくるため左右で木型の補正具合が異なります。
ほとんどの方は左右で足の大きさが異なりますので、木型からお作りする場合、左右の足それぞれのサイズに合わせる必要があります。
ロングヴァンプでも踵はシームレスでお作りしています。
通常のプレーンタイプに比べて横ラインが一本入るだけで踵周りも引き締まった印象を受けます。
底面はハーフラバーを貼らず、革のまま仕上げています。
aestasではウエスト部分にも押し縁を付けるマッケイ製法に比べてウェスト部分を絞れるので、メリハリのあるソール形状が作れるのもハンドソーンウェルテッド製法の魅力です。
つま先の摩耗が気になる場合にはあらかじめビンテージスティールを付けておくのもお薦めです。
今回のように店頭サンプルにご用意がないデザインに関してもフィッティングに難があるものでない限りお作りしております。
デザインの参考になるお写真などをお持ち頂いても構いませんので、お気軽にご相談下さい。
ありがとうございました!
【今回の靴】
内羽根ストレートチップ~ロングヴァンプver.~
靴代・・・¥160,000-(ハンドソーンウェルテッド製法)
※マッケイ製法の場合¥98,000~
革・・・アノネイBOXカーフ +¥10,000-
ソール・・・レザーソール
※初めてのお客様は上記靴代の他、木型制作代として¥50,000-頂戴致します。2足目以降木型調整代は掛かりません。
※現在の納期は約4ヶ月です。
※価格は税抜きです。