こんにちは、aestasの石川です。
コロナ禍で様々な業種で働き方の変化が求められる事態になりました。
靴作りは元々リモートワークのようなものなのですが、採寸時や仮縫い、納品時にはお客様との対面となります。
東京でも日々少なくない数の感染者が出続けておりますので、私自身も感染者とならないよう
日々の生活スタイルに自覚をもって行動していこうと思います。
そのような状況ではございますが、お客様へ靴の納品をさせていただきましたのでご紹介致します。
今回ご注文を頂いておりましたのは色違いのダブルモンク2足です。
1足目のご注文から2足まとめてご注文頂いておりましたので、こちらのダブルモンクを合わせて4足目となるオーナー様です。
ご自身で革のお手入れをされており、納品時に履いてきて下さった1足目の靴も上品な艶が出ておりました。
やはりオーナー様のお手に渡った靴が丁寧にお手入れされた姿を見ると、親心のようなもので大変嬉しく感じます。
今回お作りさせて頂いたダブルモンクもお手入れ次第で味わい深く変化するタンニン鞣しの革をお選び頂きました。
タンニンレザーがお好きな方ですと見ただけでお分かりになるかもしれませんが、
イタリアの名門タンナーであるバダラッシィ社の”ミネルバボックス”です。
エイジングによって現れる透明感ある艶と奥深くなっていく色合いに魅了されたファンが多くいらっしゃいます。
かく言う私もその一人で、お手入れをするたびに心躍る革の一つです。
お色は、ダークブラウンにあたる「カスターニョ」と緑掛かったグレーである「グリージョ」をお選び頂きました。
ミネルバボックスの中でも色の変化で断トツの座を誇るグリージョは、数か月使用しただけで元の色が分からなくなるほどです。
写真は変化前ですので、一見すると履きこなすのが難しいように感じてしまいますが、段々と茶色味を帯びてきていつの間にか足元に自然と収まる不思議な魅力を持っています。
カスターニョの方は厳密にいうとミネルバボックスではありません。
同社でミネルバボックスを加工して作られた”リバース”という革になります。
それを敢えてひっくり返して使用していることで、色ムラが味となっています。(写真では伝わりにくく申し訳ございません。)
革としてはカジュアルなデザインと相性が良く、バックルなどの金属パーツを使用するデザインとも高相性です。
ご注文の際にはイメージを固めていらっしゃったようで、ダブルモンクで即決でした。
せっかくのオーダー靴ですので既製品とは違った仕様で、ということで通常ではミシンでの縫製となるストレートチップ部とサイド部を手縫い仕様に変更致しました。
どうでしょうか。スキンステッチの凹凸が陰影となり、クラシカルなデザインの中でも遊び心のある一足に仕上がりました。
ここからエイジングが加わることと考えるととても楽しみな一足です。
レザーソールですが、軽い雨の日でもあまり気にせず履けるようにとハーフラバーを貼らせて頂きました。
ご注文時のハーフラバー加工は無料で承っておりますので、スリップが気になるお客様にはこちらの仕様でお薦め致します。
専用のシューツリーも一緒にご注文頂きました。
既製品のシューツリーでは味わえない靴との一体感を感じて頂けると思います。
革への最適のテンションでお作りしておりますので、型崩れ等の心配がないためシューツリー選びの心配がなくなります。
長くなりましたが、末永くご愛用頂ければ幸いです。
有難うございました。
【今回の靴】
ダブルモンクストラップ
靴代・・・¥108,000-(マッケイ製法)
※ハンドソーンウェルテッド、ノルベジェーゼ製法の場合¥170,000~
革・・・ミネルバボックス(カスターニョ、グリージョ)
ソール・・・レザーソール + ハーフラバー
専用シューツリー・・・¥35,000-
※初回は上記靴代の他、別途木型制作代として¥50,000-(仮縫い代(1回)込み)頂戴致します。
※現在の納期は約4ヶ月です。
※シューツリーも合わせてご注文の際は上記納期にプラス1~2ヶ月頂戴します。
※価格は税抜です。