こんにちは。apegoの東です。
ご注文をいただいていたapegoのパターンオーダーシューズを納品しました。
お客様は当初、靴の修理でご来店いただいたのですが、店頭に展示してあるapegoのオーダーサンプルをご覧になって興味をもっていただき、この度はオーダーを頂きました。
普段、変化を加えたデザインの靴を好まれて履かれているお客様ですが、この度オーダーにお選び頂いた革もapegoの中で一番特徴的なものになります。
これは木型に革を沿わし、靴底を付けた後の製作途中です。
あまり見ない色合いのスエードレザーと思います。
イタリアの「CROSTA SUEDE」のグリーンですが、実はコードバン層を含んだ馬革になります。
革を製造する段階で、厚みのある馬の臀部の革から「コードバン層」を取り出す前に削り出された余りの革(床革)になり、その革を加工するのはイタリアならではの面白さと思います。
こちらはレザーサンプルですが、左から「ブラック」「グリーン」「ダークブラウン」「ワイン」の4色あります。
その革をひっくり返すとより粗い毛並みですが、
コードバンにより近い部分は革が詰まって密になります。
なので1枚の革の中でも場所により革の特徴が違います。
そのコードバン層の部分を靴のつま先あたりの位置になるように設計して靴を作ります。
タンニン鞣しで作られた革にはオイルがたっぷり含んでいるので、靴を製作後に指などで摩擦を加えるとこのように革がつぶれ、光沢が出てきます。
アンティーク感を出すように靴全体のバランスを意識して仕上げました。
本来、靴用の革ではないので製作上の難しさはありますが、これもオーダーならではの魅力と思います。
本格的に磨き、木型を抜いて完成です。
靴底はレザーソールに「マッケイ製法」でお作りしました。
レザーソールが擦り減らないようにあらかじめ「ハーフラバー」で補強し、
トップリフトはビブラム社のラバーを使用しています。
オーダーなのでこういった細かい仕様もお客様のお好みでお選び頂けます。
コバ(ソール)のサイド部分は革らしさを活かすように無着色の「素仕上げ(ナチュラル)」で仕上げています。
使用していくうちにアッパー、ソール共に深い色合いに経年変化していきますが、その変化も革ならではの魅力と、楽しんで履いて頂ければと思います。
お客様にも大変喜んでいただけました。
こちらは店頭に展示してあるオーダーサンプルです。
同じ革で製作しても仕上げ具合で印象が変わります。
ですが取引している革屋さんがこの革をイタリアから輸入しなくなってしまいました。
残念ながら当店にストックしている革が無くなり次第、この革を使用しての製作は終了します。
こちらの「ワイン」はもう在庫がなく、今回使用した「グリーン」はあと1~2足分、「ブラック」と「ダークブラウン」はまだ何足かお作りできます。
ご興味が御座いましたらお早めにオーダーすることをオススメします。
<apego パターンオーダー>
デザイン・・・ダービープレーントゥ
サイズ・・・(左)27,0cm(右)27,0cm
アッパー・・・Italy CROSTA SUEDE(グリーン)
ソール・・・Italy レザーソール&FILIPS ハーフラバー
製法・・・マッケイ
金額 ¥63,000(税抜)
納期 現在1~1ヶ月半