常連様よりイタリアの靴メーカー、enzo bonafe(エンツォボナフェ)をお預りしました。良い感じのスエードタッセルロファーですね。レザーソールで、過去につま先をラバーで補強をされています。少しわかりにくいですが、ソールの中心部が薄くなって穴が開いています。
ソールに穴が開けばオールソール交換をさせて頂きます。純正の仕上がりの再現するように作業を進めさせていただきます。レザーのアウトソールを剥がした状態です。
靴の底付け技法は、機械式の「グッドイヤーウェルト製法」ではなく、それより以前からある伝統的な手製技法の「ハンドソーンウェルト製法」の「九分仕立て」になります。
「グッドイヤーウェルト製法」と「ハンドソーンウェルト製法」の違いは分かりやすく説明するのにいつも頭を悩ませるので、詳細はネット検索していただければと思います。
簡単に説明すると、中底にリブテープを巻くグッドイヤーウェルトは履いていくと中底が沈みすぎるというデメリットはありますが、生産性に優れた作り方です。
対してハンドソーンウェルト製法は中底の革を直接溝を掘り、掬い縫いの加工をするので、履いていくと足馴染みがとても良いです。
ですが手間と時間がかかる製法なので、ビスポーク(オーダー靴)でしかほとんど見る機会がございません。 ハンドソーンウェルト製法の「九分仕立て」とは、アウトソールとウェルトの出し縫いのみを機械で縫う方法になります。
「9割を手作業、1割を機械」という意味と聞いたことがあります。
「九分間で靴を作る」という意味ではありません。
出し縫いも手で縫う方法は「フルハンド」などと言われます。 修理の際も、出し縫いはソールの表面に見えないようにします。
「ヒドゥンチャネル」という方法で、レザーソール表面を端から薄く起こし、掘った溝に縫いをかけます。
その後、革を伏せればレザーソールの表面に縫い目が見えない仕上がりになります。 着色して仕上げています。カカトはレザートップリフトに、つま先はヴィンテージスティール加工です。これで安心して履いていただけますね。店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。
お気軽にご連絡ください。
ありがとうございます。
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