IVANKA TRUMPH(イヴァンカ トランプ)のヒールパンプスをお預かりしました。
ご存知の通り「イヴァンカ トランプ」はアメリカ大統領トランプ氏の娘のブランドです。
お客様はアメリカに住んでた時に購入された模様です。
靴の状態が気になって修理をしようと考えてもアメリカでは修理を安心して出せる店がなかった模様で、最近日本に帰国されたので当店のHPをご覧いただき、都内遠方よりお越しいただきました。
アッパーの素材は生地で、
ハイヒールのオープントゥパンプスになります。
靴底は、
レザーソール(革底)で、
擦り減り、滑りやすさが心配されるので補強します。
一番気になるのはライニング(靴の内側の革)の状態です。
こちらのパンプスは革ではなく、ライニング、中敷き共に「合成皮革」を使用して作られています。
その合成皮革の表面にあるウレタン塗装が「加水分解」による経年劣化しています。
今はまだ少しに見えますが、今後広範囲にボロボロ剥がれていきます。
中敷きも同様です。
履いて頂ける状態にするにはライニング全体を張り替える必要があります。
「ライニング交換」の修理は不可能というのが一般的で、実際修理の際に多少の無理はありますが、このデザインの靴なら大丈夫と考えお受けさせていただきました。
<after>
出来るだけ色合いの近い革を使用し、修理しました。
合成皮革→革に素材が変わったので、今後は加水分解の心配がなく履いて頂けます。
また革は呼吸しているので足が蒸れにくく、快適に履いて頂けます。
中敷きはブランドのプリントがなくなるはデメリットですが、新しく切り出した革で交換しています。
違和感なく仕上がったので分かりにくいですが、ライニングも新しく張り替えています。
これで安心して履いて頂けます。
修理の際は接着だけでなく、元にあった縫い穴を拾うように縫ってライニングを張り替えています。
なので剥がれる心配等はございません。
地面との接地面は「ハーフラバー」で補強したので、
しっかりと履いて頂けます。
難易度が高い修理内容でした。
ライニング交換は靴のデザイン、作り方によっては不可能な場合がありますが、今回の様に履き口が広いパンプスだと可能な場合もございます。
アッパーの素材が革や生地だと問題ありませんが、アッパーが合成皮革だと修理が難しいです。
諦める前にまずはお気軽にご相談下さい。
ご遠方にお住いの場合はHP内の「お問い合わせフォーム」から画像を送って頂ければ、スムーズにお伝えしやすいと思います。
ありがとうございます。
ライニング交換(パンプス) ¥10,500(税抜)
中敷き交換 ¥2,000(税抜)
FILIPS ハーフラバー ¥2,700(税抜)
納期 1ヶ月ほど