こんにちは東です。
MAGNANNI(マグナーニ)のシングルモンクストラップをお預りしました。マグナーニはスペインを代表するメーカーになります。
独特なデザインのアッパーだけでなく、靴底周りも特殊です。
今回は少し変わった方法で修理を進めさせていただきました。
靴の構造は「ボロネーゼ製法」という足裏が触れる厚みがある「中底」の革が無い構造で、マッケイ縫いで靴本体と縫われています。
ボロネーゼは中底がない分、なにより「靴の返り(曲がり)」が良いのが特徴です。
それに加え、画像のようにレザーソールをアッパーに沿わせ、手縫いで繋ぐ「オパンケ製法」もマグナーニの特徴です。
特殊な構造故、製造段階では手間が掛かる分、修理でも通常のソール交換より手間と難易度は上がります。
この度は靴底の修理でお持ち頂きました。
お客様はご購入当時にお持ち頂き、「luluヴィンテージスティール」を取り付けさせていただきました。ですがソール中心部を確認すると、まだ穴は開いていませんが、レザーソールが薄くなっており穴が開く直前の状態です。
お客様は地面の感触を感じるとのことで「ソール交換」でお持ち頂きました。
「ボロネーゼ製法」は中底の革が無い分、返りが良いですが、擦り減りが進行するととても気になります。
靴底のインサイド(内側)は通常のレザーソール仕様で、
目に付きやすいアウトサイド(外側)が「オパンケ製法」です。
別のマグナーニの靴で過去に「オールソール交換」をしたことがある構造ですが、再現してオールソール交換をするとかなり手間暇が掛かるので、修理費用、お渡しする納期などお客様のご負担も大きくなります。
なので今回は「オールソール交換(靴底全体交換)」とは少し違った修理方法をご提案させていただきました。
擦り減っているカカト部分も交換をします。使用するのは約5mm厚の「ハーフレザーソール」です。
靴本体の擦り減っていた部分を用意したハーフレザーソールの形状に合わせてカットしました。
オパンケの部分は残しています。
カットした部分にハーフレザーソールを貼り、
元のようにレザーソールにマッケイ縫いで縫って完成です。
レザーソールも近い色で染めて仕上げました。
お客様はレザーソール仕様がお好みなので、今回はこのままお渡しさせていただきましたが、今後はソール交換をしないようにもう少し下の位置から「ハーフラバー」で補強するのをオススメします。
つま先は新しい「luluヴィンテージスティール」を取り付けました。
レザーソールの繋ぎ目も仕上げるとほぼ解りません。
トップリフトはイタリアのラスターで新しく交換をしています。
地面と接地するソール、カカト部分を交換した修理内容となります。
オパンケ製法は特殊な構造なので、修理も今回の方法がベストかは分かりませんが、一つの選択肢でご検討頂ければと思います。
店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。
まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
ありがとうございます。
Italy ハーフレザーソール(5mm厚・縫いあり) ¥8,500(税抜)
Italy ラスターレザートップリフト交換 ¥3,800(税抜)
納期 2週間以内