Maison Margiela(メゾンマルジェラ)オパンケ製法ウエスタンブーツの劣化した靴底を特殊加工でオールソール交換修理

Maison Margiela(メゾンマルジェラ)のメンズブーツを京都府より郵送でお預かりしました。今回は少し特殊修理になるので長い文章になります。サイドゴアのウエスタンブーツ型?のブーツです。

1970年代の古いブーツで見られたデザインです。
底付けは「オパンケ製法」と呼ばれる手間暇が掛かった特殊構造です。

レザーソールをアッパーサイド部まで沿わせ手縫いで縫われています。この度は靴底の修理のご依頼です。まず擦り減っているカカトのラバートップリフトを交換します。 続いてレザーソール面です。

オパンケのレザーソールは 中にウレタン素材が埋め込まれている構造でした。

特殊構造故にあらかじめハーフラバーにような役割で補強がされているのですが、 ウレタン素材特有の「加水分解」による経年劣化でウレタンがボロボロ崩れ始めています。

なのでこれから履いていただくにはこのウレタンを除去し、補強をし直す必要があるのですが特殊構造故に修理方法を悩むところです。 簡易的な方法ではウレタンを除去し、その部分をレザーで埋めて「ハーフラバー」で補強をする方法ですが、レザーソールはオパンケ特有の丸みがある形状の為、ソールにエッジがなくハーフラバーを貼ると見た目が汚く仕上がるのと、ソール面をしっかりとカバーが難点です。

なので今回は少し構造を変えてソール面を修理します。 カカトのバランスも意識して修理をします。 まずはウレタンを除去し、レザーで段差を埋めて自然な形状に加工をしました。 そして靴底の形状を意識して加工をした「ハーフレザーソール」を取り付けました。
3mm厚のレザーソールをラウンド形状で作り、靴本体と「マッケイ縫い」で縫ってソール面の土台を作りました。 つま先や サイド部分から見ても自然な形状です。 ハーフレザーのコバは丸みがあるラウンドに加工をしているので、ブーツのイメージとも相性がいいと思います。
<after>

修理の完成です。
カカトはお客様のご希望で、ドイツ製の「コンチネンタル」のラバートップリフトを使用しました。

既に製造中止になっているアイテムなので、在庫がなくなり次第、廃盤になります。 ハーフレザーは今後擦り減らないように上から「ハーフラバー」で補強をしました。

滑り止め効果もあり実用的です。 違和感はなく修理が出来、お客様にも大変喜んでいただけました。 今後は劣化する心配がないのでストレスがありません。 コバ、ヒール周りも仕上げなおし、 これで安心して履いていただけます。 特殊修理なので、修理開始前にお客様にご説明が難しい内容になりますが、今回のブログをご覧になれば大体のイメージを共有して今後はお受けできると思います。店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。

まずはお気軽にお問い合わせください。

ありがとうございます。

 

・Italy ハーフレザーソール(3mm厚・縫いあり) ¥8,500(税抜)

・vibram ハーフラバー(メンズ・黒) ¥3,300(税抜)

・コンチネンタル ラバートップリフト交換 ¥3,500(税抜)

納期 3週間ほど

Maison Margiela(メゾンマルジェラ)の修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)