Maison Margiela(メゾンマルジェラ)の足袋ブーツを2足お預りしました。 茶色のスムースレザーで、靴底のレザーソールをいつもとおりハーフラバー(裏張り)します。もう1足の方は初めて見る足袋ブーツで、アッパーの革はオイルを含んでしっとりした「オイルドレザー」で特有の雰囲気があります。 靴底も初めてで、オイルを含んだ「オイルドレザーソール」を使用して作られています。
オイルドレザーは耐久性に優れていますが、こちらも「ハーフラバー」で補強します。ここまではいつもと同じ修理内容ですが、お客様のお話で「ヒールが高くて疲れて履けない」とのご相談をお受けしました。
ハイヒールの靴は足が前に滑る傾向があるので、普段は使用しない動き、力を使い続けている状態なので長時間歩行には向いていません。
足の前滑りを防ぐためにはまず、靴の中の前部にインソールで厚みを出して調整し、足が靴の中で動かないようにします。
今回はそれだけでは改善されないとのことで、「ヒールを低くして欲しい」とのご要望でした。
ヒールを低くするのは、ヒールの高さ、ソールの形状、重心線などのバランスが崩れるので靴に負荷が掛かります。
ですが、このままでは履けないとの事でしたので、事情をご説明させていただいた上で作業を進めさせていただきました。まずヒール先端にあるトップリフトを外し、「ヒールカット」をしました。バランスを見ながら作業を行い、歩行に支障がないところまで低くしました。元より「15mm」低くなっています。
10mmや15mmというとあまり変わらなく思われることもありますが、随分変わります。低く加工した後は、ビブラム社のラバートップリフトを取り付けます。これでもヒールが高い靴ですが、以前よりは靴の中で足の前滑りは軽減します。ソール面は「ハーフラバー」で足袋形状に加工して補強しました。これで安心して履いて頂けます。もう1足も同じ内容で「ヒールカット」で15mm低くし、新しいトップリフトを付け、ハーフラバー補強もしています。先程もお話しした通り「ヒールカット」はオススメはしませんが、ご要望がございましたら今回の内容で作業をさせていただいています。
またヒールを一度低くしてしまうと元には戻せないので、その点もご了承お願い致します。
ありがとうございます。
ビブラム ラバートップリフト交換 ¥2,000(税抜)
ヒールカット +¥700(税抜)
FILIPS ハーフラバー(レディース) ¥2,700(税抜)
納期 翌日
Maison Margiela(メゾンマルジェラ)の修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)