Silvano Lattanzi(シルヴァノラッタンジ)のブーツを神奈川県の常連様よりお預かりしました。
初めて見るタイプのコードバンブーツです。
アッパーにはつま先部を中心に緑のもの?が表面に付いていますが、カビではなくデザインです。
タン部分を確認するとアメリカ。ホーウィン社の刻印入りです。
この刻印は革の裏側にするものでは?と思いましたが、よく確認すると、アッパーはコードバンの裏面を表に使用して作られており、 靴の内側はコードバン特有の光沢が見れれます。
コードバンを裏表逆に使用するとは流石はラッタンジですね。 靴底を確認すると、
過去にソール面は補強されていますが、問題ない状態です。
お客様はアッパーの状態が気になり修理をお持ちくださいました。
高価な靴なので、修理費用が掛かってもしっかり直して履きたいとの事です。 コードバンは裂けやすい傾向がありますが、アッパーとウェルトのキワを確認すると裂けていました。
「グッドイヤーウェルト製法」の場合、応急的に修理が出来ない箇所になるので、修理をする場合、靴底を分解する必要があります。
なので修理には「オールソール交換(靴底全体交換)」が必要になります。 修理の流れは「靴底を分解する」→「革が裂けている箇所の掬い縫いを切り、ウェルトを開く」→「アッパーとライニングの間に革を挟み補強する(必要であれば挟んだ革を縫う)」→「挟んだ革、ウェルト、中底を再度掬い縫いをする」→「通常のオールソール交換の流れでオールソール交換」の手順になります。
靴底は前半分レザーのダブルソールの「スペードソール」です。
再現するように
違和感がないように
修理を進めさせていただきます。
靴底を分解し、川を挟み、補強が完了した状態です。
裂けている箇所は違和感がなく仕上がりました。
しっかりと縫い直しているので、
これから通常のオールソール交換の流れです。
レザーのスペードソールに厚みを再現した状態です。
レザーソールは「ヒドゥンチャネル(伏せ縫い)で革の橋を起こした状態です。
縫い糸が収まる溝を掘り、この後、出し縫いで縫った後、
<after>
革を伏せ、仕上げて完成です。 レザーソール表面に縫い目が見えないフォーマルな仕様です。
トップリフトはレザー&ラバーの「ダブテイル」を使用し、
コバ(ソールのサイド部分)もしっかり仕上げなおして完成です。
これで安心して履いていただけます。
一生ものの靴なので、大切に履いていただければと思います。
お客様にも大変喜んでいただけました。
店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
ありがとうございます。
Italy レザーオールソール交換 ¥13,800(税抜)
国産ダヴテイル レザートップリフト +¥1,300(税抜)
ヒドゥンチャネル +¥2,000(税抜)
スペードソール加工 +¥2,000(税抜)
掬い直し ¥2,000(税抜)
革あて補強 ¥2,000(税抜)
納期 2週間~1ヶ月程
Silvano Lattanzi(シルヴァノラッタンジ)の修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)