ヴィンテージシューズの劣化した靴底をリウェルトからオールソール交換修理で作り変え

ヴィンテージシューズをお持ちくださいました。

見たところ1940年代あたりの靴ではないでしょうか?
アッパーはカンガルーのレザーが使用された レースアップブーツになります。

ヴィンテージシューズならではのシルエットで いい雰囲気です。

だいぶ古い年代のヴィンテージシューズを履くうえで何より気を付ける点は、素材の劣化です。

長年靴が履かれていない状態と思うので、履くと裂けたりするケースが多いです。

見たところアッパーの状態はとても良好でした。
この度は靴底の修理のご依頼です。

「グッドイヤーウェルト製法」で作られています。 レザーソール自体に擦り減りは見られませんが、
ウェルトとソールがぱっくり開いている状態でした。

「グッドイヤーウェルト製法」ではソールとウェルトを縫っているので、本来、なかなかここまで開くことはないのですが、原因は縫い糸が劣化して切れ、開いてしまったことになります。 レザーウェルト自体も劣化して千切れが見られ、 ウェルトと見え幅もシャープ過ぎるので、今回は通常のアウトソールのみの「オールソール交換」ではご対応が困難と判断をさせて頂きました。

「リウェルト」と呼ばれる修理で、このウェルト部分も作り変えます。

リウェルトは修理費用、納期のお客様負担が大きいので出来る限りところですが、今回のやむを得ないケースではお客様がご了承を頂ければお受けさせて頂いています。 お客様は今のヴィンテージシューズの雰囲気がとても気に入っておられるので、 イメージを損なわないように ウェルト部を含め、靴底全体を作り変えさせていただきます。
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修理の完成です。 「リウェルト」でウェルトを作り変えたのでしっかりと縫うことが出来ます。

元より少し出幅を出して加工をしているので、今後ソール交換が無理なく行えます。 レザーソールを使用し、ライトブラウンカラーに染めて仕上げました。 使用したトップリフトはヴィンテージの復刻の「BILTRITE」のブロックヒールです。 こちらは現在、廃盤となっている模様なので残り数足の在庫限りで終了になると思われます。 ヴィンテージシューズなのでアッパーをクリームでしっかりと保革して仕上げました。

「オールソール交換」の修理メニューでお受けすると「靴磨き」はサービスしてお渡ししています。 いい雰囲気に仕上がり、お客様にも大変喜んでいただけました。
これで安心して履いていただけます。店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。

ヴィンテージシューズは実際に状態を見ないと修理可能かの判断が難しいので、修理をお断りさせていただくケースもあるのでご了承お願い致します。

まずはお気軽にお問い合わせください。

ありがとうございます。

 

・Italy レザーオールソール交換 ¥16,800(税抜)

・BILTRITE ブロックヒール +¥3,000(税抜)

・リウェルト(シングルウェルト) +¥9,000(税抜)

納期 1ヶ月半ほど

ヴィンテージシューズの修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)