ワークブーツをリウェルトからのオールソール交換

P1050947メーカーは不明ですが、アメリカのワークブーツの修理をお預かりしました。

お客様は長い間ご愛用されているとの事です。P1050952靴底はソールとヒールが一体型のvibramタンクソールを使用しています。P1050949画像はウエスト当たりのウェルト部分ですが、ウェルトの革が割れています。

それを接着しようとお客様が白いものを塗っている状態です。P1050948あまり見ない靴のダメージですが、つま先部分も同じ状態です。

原因ははっきり解りませんが、長年、雨に濡れるの繰り返しなどでウェルトが乾燥しきっているところに長年の負荷が掛かり、割れてしまったのではないでしょうか?

ウェルトもアッパーと同様に革素材なのでクリームなどによる油分の補給は必要です。P1050950ソールは問題ないように見えますが、ウェルトが損傷してしまっているので、「オールソール修理」に加えて「リウェルト」と呼ばれるウェルト交換の修理になります。P1050951「オールソール」の修理でお受けした場合は「靴磨き」はサービスしてお客様に靴をお渡しします。P1060051まず「リウェルト(ウェルト交換)」をします。

9本撚りの麻糸に「チャン」と呼ばれる松ヤニなどを混ぜって作ったものを染み込ませて締め、強度の強い糸を作ります。P1060052手作業で「すくい縫い」をしていきます。

今回は「ダブルウェルト」と言われる「靴に一周ウェルトが巻いてある構造」です。P1060053一針一針しっかり縫います。P1060160だいぶ飛びますが、4mm厚のレザーミッドソールに「出し縫い」をかけ、vibram♯100ソールを使用して仕上げました。P1060162ソールは接着に加えてビスで留めています。

元の一体型のソールと違い、ヒールは取り外し可能なので、今後はカカトのみの交換もスムーズにおこなえます。P1060159ウェルトもすっかり新しくなり安心して履いて頂けます。P1060158靴磨きもして油分を含んだことにより、靴の印象も随分変わりました。P1060161リウェルトからのオールソール修理は作業の時間が掛かるだけでなく、お客様の費用の負担も大きくなります。

ワークブーツに限らずドレスシューズも小まめな修理、メンテナンスをすればリスクを大幅に軽減できます。

お持ちの靴の状態が気になればお気軽にご相談下さい。

ありがとうございます。

 

vibram♯100オールソール交換 ¥14,800(税抜)

レザーミッドソール(4mm厚) ¥2,500(税抜)

リウェルト(ダブルウェルト) ¥11,000(税抜)

納期 1ヶ月ほど