Corno blu(コルノブル)をお預りしました。
お客様より過去にも修理をお預りした事がある靴で、以前はカカトのトップリフトを交換させて頂きました。
コルノブルは日本を代表するビスポークメーカーですが、こちらはビスポーク(フルオーダー)ではなくプレタポルテ(既製靴)です。
靴底を確認すると、
レザーソール中心部に穴が開いていました。
この状態になると「オールソール交換」で靴底を全体作り変える修理になります。
ビスポークシューズのオールソール交換は作り手である職人の意図が靴に多く盛り込まれているので当店では基本お断りさせて頂いています。
ですがカカトのトップリフト交換などのシンプルな修理、または今回のように既製靴のオールソールはお受けしています。
以前、ヴィンテージスティールで補強させていただきました。
お客様からは「今と同じようにオールソールをして欲しい」とのご要望だったので特徴を意識して再現するように修理をさせていただきます。
元々「ビブラム2055」のラバートップリフトで作られていたので同じものを使用します。
ソールは「半カラス仕上げ」でウエスト部は丸みのあるビスポークシューズを意識した仕立てです。
コバのウエスト部を丸く加工してシャープに見せています。
ヒール部分の積み上げは真っすぐではなく、地面に向かって斜めに落とす「ピッチドヒール」の小ぶりなヒール周りになります。
ソール、ヒール周りを外し、新しくレザーソールを取り付けました。
「ヒドゥンチャネル」と呼ばれる仕様で、「出し縫い」のアウトステッチがソールの表面に見えないようにしています。
革を端から薄く起こし、掘った溝に縫いを掛け、再度起こした革を伏せる加工です。
<after>
「オールソール交換」の完成です。
先程の縫いはソール表面から見えなくエレガントに仕上がりました。
つま先部分はレザーソールが擦り減らないようにこの時点で「lulu ヴィンテージスティール」補強しています。
ソールのウエスト部は元のように丸みを残し、「半カラス仕上げ」で染めて仕上げました。
トップリフトも元と同じビブラム2055のラバーを使用しています。
もちろんレザートップリフトも使用できます。
カカトの「ピッチドヒール」も再現し、
コバ、ヒール周りのレザーもペーパー、インク、ワックスで仕上げているので引き締まった印象です。
これでまたご愛用して頂けますね。
一言に「オールソール」と言っても様々な資材、方法があります。
各メーカーの作りを理解した上で良い方法をご提案できればと思います。
安心してお任せください。
ありがとうございます。
Italy レザーオールソール交換 ¥13,800(税抜)
vibram♯2055ラバートップリフト +¥700(税抜)
ヒドゥンチャネル +¥2,000(税抜)
半カラス仕上げ +¥2,000(税抜)
lulu ヴィンテージスティール ¥3,000(税抜)
納期 2週間以内
Corno Blu(コルノブル)の修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)