J.M.WESTON(ジェイ エム ウエストン)のdemiーchasse(デミシャッセ)をお預りしました。
プライベートでも仲良くさせていただいているお客様で、この度は修理でお持ち頂きました。
こちらのウエストンは雨の日用に使用されている模様です。
修理依頼は業界で「革鳴き」と呼ばれる内容です。
歩くと靴から「キュキュッ」と音が鳴る状態でした。
「革鳴き」はお客様だけでなく靴修理店泣かせの状態で、お客様にその場で履いて頂いて原因が解れば問題ないのですが、完全に断定できない場合は靴を分解して「オールソール交換」する場合もあります。
靴底はウエストン純正のラバーソールになります。
お客様に店内で歩いていただき、音が鳴る箇所を確認したところソール前部からなので、まだソールの状態は良好ですが、この度は「オールソール交換」させていただくことになりました。
ラバーソールをレザーミッドソールから剥がした状態です。
ラバーソールに接着剤が塗れていない箇所も見られますが、靴を履いて中底が沈み込んできて、その沈み込んできたレザー部分とラバーソールの接着剤の塗っていない部分が歩行時に動くことで擦れて音が鳴るのだと考えています。
今まで革鳴きの修理を多くしていますが、原因はそれがほとんどの気がしています。
ですがオールソール交換をして革鳴きが改善していないと大変なので、大事をとって今回はレザーミッドソールを外し、中のコルクも新しく交換しました。
お医者さんの気持ちが解ります。
使用する材料は「レザーミッドソール」とイギリスの「リッジウェイソール」です。
<after>
出し縫いのアウトステッチをかけてしっかりとオールソールしました。
ウエストンのラバーソールはリッジウェイソールをデザインが似ているのでオールソール交換ではこちらをお選びいただく事が多いです。
レザーミッドソールは黒く着色し、元と同じくダブルソール仕様です。
お客様のご要望でブロック形状のリッジウェイヒールをそのまま取り付けました。
ウエストンのように革の積み上げを挟むようにヒールを加工する事も可能なので、お好みの方法を言っていただければと思います。
完成後、お客様に履いて頂き、問題の革鳴きも改善していたので安心しました。
つま先は「ハイシャイン(鏡面磨き)」で仕上げています。
「革鳴き」による音鳴りは今回の様にソールが原因でない場合もございます。
まずはお気軽にご相談ください。
ありがとうございます。
リッジウェイソール(黒)オールソール交換 ¥15,800(税抜)
レザーミッドソール交換 ¥2,500(税抜)
ハイシャイン ¥2,000(税抜)
納期 2週間以内