MAGNANNI(マグナーニ)オパンケ製法で作られた靴をハーフレザーソール&縫いでソール交換の特殊な修理

P1260263こんにちは東です。

MAGNANNI(マグナーニ)のシングルモンクストラップをお預りしました。P1260264マグナーニはスペインを代表するメーカーになります。

独特なデザインのアッパーだけでなく、靴底周りも特殊です。

今回は少し変わった方法で修理を進めさせていただきました。

P1260265靴の構造は「ボロネーゼ製法」という足裏が触れる厚みがある「中底」の革が無い構造で、マッケイ縫いで靴本体と縫われています。

ボロネーゼは中底がない分、なにより「靴の返り(曲がり)」が良いのが特徴です。

それに加え、画像のようにレザーソールをアッパーに沿わせ、手縫いで繋ぐ「オパンケ製法」もマグナーニの特徴です。

特殊な構造故、製造段階では手間が掛かる分、修理でも通常のソール交換より手間と難易度は上がります。

P1260266この度は靴底の修理でお持ち頂きました。

P1260267お客様はご購入当時にお持ち頂き、「luluヴィンテージスティール」を取り付けさせていただきました。P1260268ですがソール中心部を確認すると、まだ穴は開いていませんが、レザーソールが薄くなっており穴が開く直前の状態です。

お客様は地面の感触を感じるとのことで「ソール交換」でお持ち頂きました。

「ボロネーゼ製法」は中底の革が無い分、返りが良いですが、擦り減りが進行するととても気になります。

P1260269靴底のインサイド(内側)は通常のレザーソール仕様で、

P1260270目に付きやすいアウトサイド(外側)が「オパンケ製法」です。

P1260273別のマグナーニの靴で過去に「オールソール交換」をしたことがある構造ですが、再現してオールソール交換をするとかなり手間暇が掛かるので、修理費用、お渡しする納期などお客様のご負担も大きくなります。

P1260272なので今回は「オールソール交換(靴底全体交換)」とは少し違った修理方法をご提案させていただきました。

P1260271擦り減っているカカト部分も交換をします。P1260274使用するのは約5mm厚の「ハーフレザーソール」です。

P1260275靴本体の擦り減っていた部分を用意したハーフレザーソールの形状に合わせてカットしました。

P1260276オパンケの部分は残しています。

カットした部分にハーフレザーソールを貼り、

P1260497元のようにレザーソールにマッケイ縫いで縫って完成です。

レザーソールも近い色で染めて仕上げました。

P1260500お客様はレザーソール仕様がお好みなので、今回はこのままお渡しさせていただきましたが、今後はソール交換をしないようにもう少し下の位置から「ハーフラバー」で補強するのをオススメします。

P1260498つま先は新しい「luluヴィンテージスティール」を取り付けました。

P1260501レザーソールの繋ぎ目も仕上げるとほぼ解りません。

P1260499トップリフトはイタリアのラスターで新しく交換をしています。

P1260496地面と接地するソール、カカト部分を交換した修理内容となります。

P1260502オパンケ製法は特殊な構造なので、修理も今回の方法がベストかは分かりませんが、一つの選択肢でご検討頂ければと思います。

P1260503店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。

まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

ありがとうございます。

 

Italy ハーフレザーソール(5mm厚・縫いあり) ¥8,500(税抜)

Italy ラスターレザートップリフト交換 ¥3,800(税抜)

納期 2週間以内 

Magnanni(マグナーニ)の修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)