OFFICINE CREATIVE(オフィチーネクリエイティブ)スエードブーツの加水分解で劣化した靴底をハーフレザーソールで作り替える修理方法

P1320472こんにちは東です。

OFFICENE CREATIVE(オフィチーネ クリエイティブ)のスエードブーツをお預りしました。P1320473伊勢丹でも販売されているイタリアのブランドになります。

エンジニアデザインのサイドジップブーツです。

P1320475この度は靴底の修理でお持ちくださいました。

特殊な構造なので、お客様も修理が可能かどうか心配されておられました。

P1320476まずカカトです。

カカト部分はウレタン素材が使用されています。

P1320477靴自体、長く履かれていなかった模様で、ウレタン素材が「加水分解」による経年劣化で割れています。

この場合、通常の「トップリフト交換」の要領で交換をすれば問題なく修理は可能です。

P1320478今回の問題点はソール面です。

レザーソールがベースですが、

P1320479ソール前部もウレタン素材で同じく、加水分解で劣化をしていました。

P1320480これがレザーソールの上にウレタンが乗っているだけであれば普通に交換が出来ますが、中を確認すると製造時に中にウレタンを流しこんで作られている構造です。

この場合「オールソール交換」で靴底全体を交換すれば問題はありませんが、

P1320481コバなどあえてハンドメイド感を表現したデザインです。

オールソール交換をすればブランドイメージが変わってしまうので、別の修理方法をご提案させて頂きました。P1320484まず、劣化したウレタン部分を剥がしました。

P1320485ソールの中心がくり抜かれて空洞の構造です。

このままでは修理がしにくいので、

P1320494ウェルトを残し、ソール前部を綺麗に剥がしました。

P1320493劣化したウレタンは全て除去し、

P1320529約5mm厚の「ハーフレザーソール」をソール前部に接着をします。

P1320530これでソールが新しくなり、元の厚みに戻りました。

P1320756レザーソール同士の繋ぎ目も自然に仕上がっています。

P1320755そしてソールを「マッケイ縫い」で縫いました。

これで剥がれにくさも向上します。

P1320754ようやく土台がしっかり出来たので、

P1320780元のウレタンと同じ7mmの厚みのの「US ビブラム705 ハーフラバー」を接着しました。

この厚みのラバーごとマッケイ縫いをかけるのは困難なので、接着と釘で取り付けています。

P1320781今後繰り返し交換が出来ます。P1320782トップリフトは元と同じ10mm厚の「ビブラム5345」を使用しました。

P1320779これで安心して履いて頂けます。

種類に使用した素材はレザー&ラバーなので今後は劣化することはありません。

P1320785ブランドイメージを損ねることなく修理が出来ました。

P1320783お客様にも大変喜んで頂けました。P1320784

今回のような特殊構造の靴は、修理方法に正解はないと考えています。

ですが靴の構造、ブランドイメージ、出来る事できない事、履き心地、お客様のご予算などを考慮し、良いと思う方法をご提案できればと思います。

P1320786店頭だけでなく郵送でも修理をお受けしています。

まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

ありがとうございます。

 

Italy ハーフレザーソール(5mm厚)&縫い ¥8,500(税抜)

vibram ♯705 ハーフラバー ¥4,500(税抜)

vibram ♯5345 ラバートップリフト交換 ¥3,500(税抜)

納期 2週間以内

Officine Creative(オフィチーネ クリエイティブ)の修理事例 | apego(アペーゴ) (apego2015.com)