いつも遠方から来ていただいているお客様にPierre cardin(ピエールカルダン)のサンダルをお預かりしました。
こちらは日本で製造しているカルダンになります。あまりしないであろう少々手間をかけた修理を紹介します。
中敷きがだいぶ汚れてきているので交換します。 アッパーはヌバックの革なのですが、中敷きの下の中底に巻いてある素材は「革」ではなく「合皮」で作られています。
合皮だといずれは加水分解によりこのようにボロボロになります。こうなると止めようがなく広がっていきます。
この状態だと大体は修理屋さんに断られて「捨ててしまうか」「全て剥がして履くか」「インクを縫ってごまかして履くか」というケースが多いと思います。
どれも問題を解決する内容ではないのでこちらも修理します。 その状態は全体なので同じように靴の後部も劣化しています。こちらも修理します。部分的に白カビも生えているので【クリーニング】をします。最後に、カカトも擦り減っているので【トップリフト交換】をします。 クリーニングで汚れ落とし、カビ除去をしました。
劣化していた合皮部分はすべて綺麗に剥がして画像のように薄い牛革を巻いていきます。靴の後部は完成です。革で交換しているので今後は加水分解による劣化の心配はなく安心です。
靴の前部も元の合皮をきれいに剥がし、新しく革を貼っています。
元々のデザインのように「違和感なく自然に仕上げる」のが重要だと思います。
中敷きは新しい革を切り出し、カルダンのタグも新しい中敷きに縫いました。 違和感ないと思います。今回は靴が黒ということもあり加工しやすかったです。自然です! とても自然です!トップリフト交換もしました。Italyのラバーを使用しているので、元々付いていたのより耐久性があり音もしなく快適に歩けると思います。
お客様に「新品になった」と言っていただけました。
ありがとうございます。
靴クリーニング(短靴) ¥4,000(税抜)
中敷き交換 ¥2,000(税抜) ※タグ移し+¥1,000(税抜)
トップリフト交換 ¥1,800(税抜)
合皮を革に巻き替え ¥ 靴の作りや状態による
納期 1週間ほど