SAINT LAURENT(サンローラン)のメンズ・サイドジップの「ハーネスブーツ」をお預りしました。
当店はサンローランの靴も過去に多く修理させていただいているので、お客様はHPをご覧いただき、大阪より郵送で修理依頼となります。
普段、サンローランは「ハーフラバー」「ヴィンテージスティール」などの補強依頼が多いですが、今回はもう少し手間が掛かった修理になります。
レザーソールの中心部に穴が開いたのでお客様から「オールソール交換」で靴底を全体作り替える依頼でした。
ブログでもよく紹介していますが、ソール前部が薄くなりステッチも切れているので、お客様のおっしゃる通りオールソール交換が良い修理方法です。
ですが今の状態はカカトのトップリフトはさほど減っていないのと、オールソール交換するとレザーソールの「SAINT LAURENT」の文字がなくなります。
加えてファッションブランドの靴なのでヒールも通常の靴より高く、
オールソール交換するにはサンローランの作りを再現する必要があります。
ですが今回はソール前部の状態だけが修理する必要があるだけなので、オールソールではなく別の方法で修理することになりました。
あと雨の日にも履かれたことがある模様で、つま先部を中心に「雨ジミ」で革の表面が凸凹している状態なので、
「クリーニング」で洗い、雨ジミを除去して仕上げ直します。
ソールの修理方法は「ハーフレザーソール」になります。
レザーソールの擦り減っていた前半分をカットし、縫い糸も外します。
見えているのは「押し縁(ウェルト)」「中底」です。
用意したハーフレザーソールを接着剤で貼ります。
厚みは5mmと元のレザーソールとほぼ同じです。
ソールは自然に繋がるように加工しています。
レザーソールに溝を掘って「マッケイ縫い」をかけて靴本体としっかり繋げます。
今後はソールが擦り減らないようにこの時点で「ハーフラバー補強」をしました。
ソールの厚みが新品状態に戻り、修理した痕跡も分かりません。
コバ(ソールのサイド部分)も着色して仕上げ直すと繋ぎ目もほとんど気にならないと思います。
アッパーの雨ジミも除去し、クリームで磨いて仕上げています。
これでまだまだご愛用して頂けますね。
「ハーフレザーソール」は少し特殊な修理ですが、サンローランのイメージを損なわずに修理するのはこの方法が良いかな?と思います。
店頭だけでなく郵送でもお受けしています。
郵送の際はHPの「お問い合わせフォーム」から画像を送って頂くとお話がスムーズに進むので嬉しく思います。
お気軽にお問い合わせください。
ありがとうございます。
Italy ハーフレザーソール交換(5mm) ¥8,500(税抜)
※縫い直し代も含む
FILIPS ハーフラバー(メンズ) ¥3,000(税抜)
靴クリーニング(ブーツ) ¥5,000(税抜)
納期 2週間ほど