常連様よりArfango(アルファンゴ)のドライビングシューズをお預りしました。
アルファンゴはイタリア・フィレンツェのブランドらしいです。
イタリアにはTOD,S(トッズ)、Ferragamo(フェラガモ)などドライビングシューズを製造しているメーカーは多くありますが、これもイタリア人のライフスタイルなのでしょうか?
ドライビングシューズは運転用の靴だけあり、通常の靴とは構造だけでなく製造方法も異なります。
こちらのアルファンゴの靴は他のブランドのドライビングシューズ以上に特殊な構造でした。
ソールに埋め込まれているのはウレタン系素材です。
ウレタン素材は生産性に優れているのと、耐久性に優れているのが特徴な素材ですが、「加水分解」による経年劣化でいずれはこのように割れてしまします。
これからも靴を履いて頂くには「オールソール交換」で靴底を全体作り替える必要がありますが、今回のドライビングシューズの構造の特殊性に修理方法で頭を悩ませましたが、問題ないと判断してお受けさせていただきました。
いつもと同様、修理の際には今の靴底のデザインも変えさせていただきます。
ウレタン部分がつま先のエッジまでは届いていないのでグレーのスエード部分が地面と接触して擦れる傾向があるからです。それを改善するのと、
カカト部分もスエード部分が擦れないように加工します。
その際若干デザインは変わりますが、
今後は路上で心配なく履いて頂けるようにします。
途中の作業工程はだいぶ省きましたが、劣化していた部分を全て除去し、中底を作った後、「レザーミッドソール」を底面の形状に加工して貼り、「マッケイ縫い」で縫いました。
今後は加水分解で劣化する心配はないのと、レザーミッドソールの今の状態から繰り返しオールソール交換を行える状態にしました。
そしてその上に「合成クレープソール」を貼って完成です。
ソールの種類、厚みなどはお選び頂けます。
「合成クレープソール」は合成ゴムなので、天然クレープ素材の「クレープソール」のようにベタツキは起こりません。
ソールの見た目は同じですが、固さは違います。
厚みは4mm、6mm、9mmと3パターンありますが、今回は返りが良いように4mmの一番薄いのを使用しています。
今後カカト交換が出来るように、低いヒールの取り付けも出来ますが、お客様のご要望でフラットなソール面のまま仕上げさせて頂きました。
ソールはアッパーのエッジ面までカバーしているのでアッパーのつま先が擦れることなく履いて頂けます。
カカトも同様です。
お客様が思っている以上に修理が出来る場合も多いので、諦める前にまずはお気軽にお問合せください。
加水分解で劣化してしまう靴底の場合は再現は出来ませんが、出来るだけよい修理方法をご提案できればと思います。
ありがとうございます。
合成クレープソール(濃アメ・4mm厚)オールソール交換 ¥10,800(税抜)
レザーミッドソール +¥2,500(税抜)
納期 2週間以内