Arfango(アルファンゴ)ドライビングシューズの加水分解で劣化したソールを作り変えるオールソール交換修理

 

P1170710 常連様よりArfango(アルファンゴ)のドライビングシューズをお預りしました。

P1170711 アルファンゴはイタリア・フィレンツェのブランドらしいです。

イタリアにはTOD,S(トッズ)、Ferragamo(フェラガモ)などドライビングシューズを製造しているメーカーは多くありますが、これもイタリア人のライフスタイルなのでしょうか?
P1170712 ドライビングシューズは運転用の靴だけあり、通常の靴とは構造だけでなく製造方法も異なります。

こちらのアルファンゴの靴は他のブランドのドライビングシューズ以上に特殊な構造でした。
P1170713ソールに埋め込まれているのはウレタン系素材です。
P1170714ウレタン素材は生産性に優れているのと、耐久性に優れているのが特徴な素材ですが、「加水分解」による経年劣化でいずれはこのように割れてしまします。

これからも靴を履いて頂くには「オールソール交換」で靴底を全体作り替える必要がありますが、今回のドライビングシューズの構造の特殊性に修理方法で頭を悩ませましたが、問題ないと判断してお受けさせていただきました。
P1170715いつもと同様、修理の際には今の靴底のデザインも変えさせていただきます。

ウレタン部分がつま先のエッジまでは届いていないのでグレーのスエード部分が地面と接触して擦れる傾向があるからです。P1170717それを改善するのと、
P1170716カカト部分もスエード部分が擦れないように加工します。
P1170718 その際若干デザインは変わりますが、
P1170719 今後は路上で心配なく履いて頂けるようにします。
P1170867途中の作業工程はだいぶ省きましたが、劣化していた部分を全て除去し、中底を作った後、「レザーミッドソール」を底面の形状に加工して貼り、「マッケイ縫い」で縫いました。
P1170868 今後は加水分解で劣化する心配はないのと、レザーミッドソールの今の状態から繰り返しオールソール交換を行える状態にしました。
P1170869 そしてその上に「合成クレープソール」を貼って完成です。

ソールの種類、厚みなどはお選び頂けます。
P1170870「合成クレープソール」は合成ゴムなので、天然クレープ素材の「クレープソール」のようにベタツキは起こりません。

ソールの見た目は同じですが、固さは違います。

厚みは4mm、6mm、9mmと3パターンありますが、今回は返りが良いように4mmの一番薄いのを使用しています。

P1170871 今後カカト交換が出来るように、低いヒールの取り付けも出来ますが、お客様のご要望でフラットなソール面のまま仕上げさせて頂きました。
P1170872ソールはアッパーのエッジ面までカバーしているのでアッパーのつま先が擦れることなく履いて頂けます。
P1170873 カカトも同様です。

P1170874お客様が思っている以上に修理が出来る場合も多いので、諦める前にまずはお気軽にお問合せください。

加水分解で劣化してしまう靴底の場合は再現は出来ませんが、出来るだけよい修理方法をご提案できればと思います。

ありがとうございます。

 

合成クレープソール(濃アメ・4mm厚)オールソール交換 ¥10,800(税抜)

レザーミッドソール +¥2,500(税抜)

納期 2週間以内