こんにちは。柴田です。
MARGARET HOWELL(マーガレットハウエル)のレディースシューズをお預りしました。
マニッシュな雰囲気にヒールが少し高めのデザインです。
お客様はソールの状態を気にされお持ちくださいました。
つま先のウェルトが一部取れてしまっています。
このウェルトは革ではなくナンポウという素材が使用されています。
ナンポウは革の粉塵を固めて作られていますが、革より柔軟性が少なく固いため力が加わった時にはパキッと割れてしまいやすいです。
加えてカカトが少し高めにつくられているのでフラットなタイプに比べて、歩いている時に引っ掛かりやすかったのではないかと思います。
ソールはゴム製のものが使用されています。

ソールのつま先もウェルトと一緒に欠けてしまっています。
セメント式の製法ですが、大事な部分のウェルトとソールのダメージが大きいので、修理するには作り変える必要があります。
カカトも擦り減りバランスが悪くなっています。
<after>
ラバーソールで靴底全体を作り変えました。
一度ウエルトより下のパーツを分解して取りのぞき、イメージに近い革のウェルトを巻き直しました。
革製なので今後引っ掛けてもパキッと割れてしまったり、欠けたりはしないと思います。
ソールはアッパーの雰囲気に合うように黒のラバーに作り変えました。
ヒールのトップリフトは、減りづらいビブラム社のラバーを付けています。
カカトの積み上げ部分は、革を一枚ずつ重ねて元のヒールの高さや形に近くなるよう削りました。
着色する前のコバ部分です。
革とラバーが積み重なっているのが分かります。
細かいペーパーを使って滑らかに加工し、着色をして仕上げました。
引き締まった印象になりましたね。
つま先も元通りになったので、まだまだ履いて頂けます。
ヒールもバランスが戻り、元のソールとほとんど変わらないイメージで仕上がりました。
今後のメンテナンスは、カカトのゴムの擦り減り具合を見て頂ければと思います。
靴全体の雰囲気を崩さず、元よりも丈夫で長く履いて行ける靴になったと思います。

靴の状態や、お客様のご希望に沿うよう修理方法をご提案させていただきます。
気になる事がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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